格子型ステンドグラスのビジネスモデルの特色

 伝統的なステンドグラスは、半永久的に建築物に頑丈に固定され取外しが難しく修理も困難な観賞用のものが多い。確かに、芸術的で見る感動は素晴らしいが、現在のお客様の多様化したニーズの変化に対応できない時代遅れの感じも否めない。
さらに、見慣れるに従い感動も薄れる、という弱点も時間と共に増幅するので気になる。
 また、教会や一部の資産家だけの所有で、一般社会にあまり普及しなかったことも、気になる。
 西洋文化が育んだ伝統製法で作られた独特の色合いに人気があり種類も豊富で、マーケットも古くから存続している。 なのに、何故普及しないのか気になる。高価格のせいだけでは、ないようだ。
 一般の消費者(お客様)は、観賞する機会も限られ、高嶺の花になっているのが現状です。

 明治初期に輸入された技術が殆ど変わらないのも気になる。伝統を守る以外に何かある、と感じた。

 ず~っと後になって気付いたことだが、その大きな理由に"手加工の難しさ"があった。

 鉄よりも硬くて脆くて割れやすくデザイン通りの形に手加工でカットするのが難しかった。このせいもあって、現実は、美しい素材力を活かしきれず、もったいない、と問題意識が増幅した。

 そこで、手加工に代わる独自のNC機械加工法を開発し、高品質のガラスピースの工業生産化を実現した。
 特徴は、『デザイン通りの形を、滑らか仕上げで、機械部品並みの精度』、進化して『半田付けしない、ガラス側面の美しさも見える』新しい価値を持つ接着ステンドグラス、さらに新しいタイプの『縁なしステンドグラス』の商品概念に進化した。

 当商品は、この縁なしステンドグラスのセールスポイントを活かした斬新さに富んだもので、お客様ニーズの変化にも迅速に対応できます。具体的に、下記のような特徴を持つ使い勝手の良い商品です。

① 組立セットなので、必要に応じ組立、不要になれば解体できる。
② 季節毎やイベント毎の模様替え(差替え、配置換え自由)
③ メモリアルやロゴマーク等の追加(既製品と注文品の組み合わせ自由
④ デザインを変える(豊富なデザインの商品シリーズから選べる)
⑤ 鏡や凹面鏡パネル等で、お客様を巻き込む演出(面白い変形鏡等も用意する)
⑥ お客様リクエストに対応できる(注文品で対応)
⑦ 維持管理が簡単で経済的(ステンドグラスパネル単位で対応できる)
⑧ 新しさや珍しさの話題性に富んだ縁なしステンドグラスの感動力
⑨ 展示スペースを拡げる(格子枠を追加する)
⑩ 1m角商品を立体的に組立て、ステンドグラスのトンネルや部屋を作る。

 これ等の特徴を活かし、お客様ニーズである『華やかで新鮮な雰囲気の演出で、楽しい感動体験を提供し、お客様が喜んでリフレッシュし,、笑顔で暮らしに輝きが生れること、これが商品コンセプトです。

 これ等を、可能にしたのが次項で説明する独自技術(ガラスピースのNC加工法)の強みです。

【追記】視点を拡げ一般商品の場合、これ等の特徴は必要に応じ備わっている機能です。そこには適切な加工法があり、お客様のニーズに対応可能だからです。ガラス板の場合、ここが弱点だった、と推測しています。
 これは、セラミック板や大理石板、陶板等の難削材である硬脆性材料板に共通する弱点です。これ等の分野でも、ステンドグラスと同様な課題が眠っているはずです。

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【追記】ニッチ戦略のポイント
顧客志向。顧客ターゲットを絞り込み、顧客との顔の見える関係を作る
 人脈営業で顧客創造する方法を取り入れ、販売強化した。
技術ニッチ。
 ガラス板等の特許加工法
特殊ニッチ。専門分野に特化し、狭く深い品揃え
 特定の需要に特化 ⇒ ステンドグラスの癒しと感動(見る感動体験)
 特定の顧客に特化 ⇒ 富裕層、企業経営者(集客施設管理者)、お客様は見る感動体験を楽しむ人達。
 特定の製品ライン特化 ⇒ 格子型ステンドグラス
カスタマイズニッチ。
 顧客一人ひとりの好みや要望に合わせた商品をアレンジして提供することは、複雑かつ面倒で嫌がられる分野。
 ⇒ パターンオーダー型販売(顧客創造、多品種少量生産、受注加工)


【追記】2月8日に亡くなった堺屋太一氏の『楽しい日本』
読売新聞(2月11日付)に、亡くなった堺屋太一氏を紹介する記事が載っていた。
 その中に『万博実現の行動力伝説的』、予測小説、団塊の世代等があり感銘した。
また、『斬新に時代をプロデュース』の小見出しで評伝が載っており、共感したので一部抜粋し引用した。
 『堺屋太一とは何者かと(よく)言われる。原点は全部、想像力。夢を見ようということ』・・・
 最近も2005年の大阪・関西万博に期待を寄せ、『中央公論』誌2月号の対談では、明治以降の『強い日本』、戦後の『豊かな日本』に次ぐ目標として『楽しい日本』を挙げた。夢見る時代のプロデューサーが平成の終わりに残した『遺言』だ。(以上が抜粋)
 誰もが、日本の将来が『楽しい日本』になることを願っている。社会人、消費者、お客様でもある日本人が『楽しさ一杯の輝きのある暮らし』を夢見ている、と推測している。
 そして、お客様には、ステンドグラスの楽しい感動体験でリフレッシュし、輝く暮らしを営んでもらいたい、とも想っている。


【追記】12月1日、女川のデザインタイル
ツイッターで、デザインタイルを見た瞬間、アラベスクタイルと似ている、と直感。
ググッて見ると、一人の主婦のアイデア、スペインタイルで女川を飾る、記事に。
これって、格子型ステンドグラスに共通するものがある。要調査!

投稿日:2018年12月18日