創業苦労話を一つ挙げると、NC側面加工の刃具がなかったこと

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最近、ある人から、"創業準備中の今迄に、一番苦労したのは何ですか?"と言う素朴な質問を受けた。

 20年以上昔の50歳からのことだから、いろいろあり、どれも場面場面で大変だったが、どうにか乗り切ってきている。今にして思えば、楽しい思い出になっていて苦労したことも、はっきりと思い出せないものが多い。その点では、大した苦労とも思っていない。

 しかし、一つだけ"そんなバカな・・・"と手痛い苦労したことがあった。

これだけは、今以て、はっきり覚えている。原因は想定外にあった。

それは、ガラス板の側面加工する刃具(工具)が、無かったこと。

正確に言えば、金属加工に使うエンドミルに該当するような筒状の刃具で底と脇で、孔を明けたり溝を掘ったり輪郭(側面加工)を削ることが出来る刃具である。

 ガラス板加工にチャレンジを開始した時は、ガラスが難削材であることは機械加工業界では常識だった。が、探せば刃具は見つかるだろうと、これもまた、常識のように周囲も私も思い込んでいた。

それ程メイドインジャパンに携わる現場技術者は自信に溢れていた。

しかし、この刃具が工具メーカーに問い合わせしても商品としては無かった。

そんな話から、始まった苦労話になる。

 

 写真のノートは、ガラス板のテスト加工を始めた当時のメモノートで、一番上の数字がノートナンバーで109冊目は治具・工具・刃具(刃物)を、110冊目は加工条件を記録したノートになる。

その下の数字が、年月日で平成14年4月から15年3月頃のことを記入している。

この5冊のノートの中に、苦労話が、ぎっしり詰まっている。

 ちなみに、私の本棚は、このガラス板のNC加工やCAD・CAMソフトウエア開発関連のノートが120冊ぐらい並んでいて、唯一私の自信の持てる目に見える宝物でもある。市販本は、整理して極少々になっている。

hamono1.jpg

話は、刃具に戻るが、工具メーカーの担当者がガラスの孔明けに写真(下)のような手作り刃具を使っている計器メーカーがあることを教えてくれた。

 さらに、そのサンプルを入手してくれた。

それを、デジカメで撮った写真(平成14年頃)を、ノートから抜粋したのが下の写真。

孔明け用だったが、これを輪郭加工に使うしか方法は見つからなかったので、この刃具を作って使用することにした。

 どう作るかと言うと、写真右上の小さな穴が沢山ある部分が電着したダイヤモンドで、ここで削ることになるわけで。なので、この部分の刃具の取付け取り外しができ、金具にはめ込んで固定し、さらにその金具をNC工作機械のツールに取り付けることになる。

 問題は、このダイヤモンド電着の刃具が、痛みが早く短寿命で直ぐ交換しなければならなかったこと。

そして、この電着ダイヤモンド刃具を、手作りしなければならなかったことが、苦労話の始まりだった。

手作りは、帯鋸盤用の長さ2mのダイヤモンド電着バンドソー(紙テープの片側に刃具が付着しているイメージ)をハサミで切って丸めて筒状にして金具にセットする、至って簡単な作業に見えるが、機械が作動するまでの手順は面倒で、1回1時間以上掛かった記憶がある。

 ひどい時は、加工が始まったかと思ったら、直ぐに刃具が損傷してNG、また刃具づくりの繰り返しだった。

殆どの時間を原因究明と刃具づくりに費やした記憶がある。

hamono2.jpg

集まった損傷刃具の山を整理したのが、 写真(下)で、損傷した刃具の原因追及のサンプルにして一覧表にしたもの。

多様な傷み方で、苦労したが詳細は省略する。

hamono3.jpg

こんな例がノートに載っていた。

右図の型紙の赤ペン(丸印)のガラスピースの加工で、同じ所で何度も刃具が損傷して困ったケースで、最後にガラスピースにヒビが入って不良品になった例。 

hamono4.jpg

小半径のえぐれ加工が何故か上手く出来ずに、手を焼いた例。

思い出せば際限なく、ただただ~刃物づくりに励んだことが、懐かしい。60歳の頃で、これを乗り切れば技術はどうにかモノになる、と頑張った。

 

そして、年が明けて平成15年1月21日(ノートから)、メーカーから朗報が入った。孔明け用のコアドリルの発売があり、そのカタログの写真を見てドリルなのに先端が筒状で平ら、これはエンドミルと同じと直感で使える、と判断した。

 その後は、メーカーと打ち合わせを重ね、特注のメタルボンドのコアドリル(刃具)を注文製作した。

それを使って加工すると、これまでの苦労が嘘のようになくなり、その後は、加工効率を高める加工条件の設定に課題は変わった。

 さらに、加工法の改善へ進み、CAD・CADソフトウエアのバージョンアップを重ね、テストを重ねた。

これ等は、全て次兄の経営する会社で、協力を得ながら行った。

 その後、パイプ状の電着ダイヤモンド刃具の話へと進んだが、円高不況のあおりで計画は頓挫し実現しなかった。

創業したら、刃具の検討は、ここからが再スタートになると、考えている。

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